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スタートアップとサービス作り

左脳を使わせたらクリックできないーairCloset新事業「pickss」

airClosetは流行りのレンタルファッションサービスだ。プロのスタイリストがコーディネートして1回あたり3着、月額約10000円程度で借り放題。(3着1回を返却すると次の3着が届く)ウェイト会員もいたほどユーザの興味を惹きつけたサービスが新たな形態として「pickss」というパーソナルスタイリング提供システムを開始した。

「pickss」はスタイリストが選んだ服5点が送られてきて好きなものを購入し、不要なものは返却する。現在取り扱いのブランドはユナイテッドアローズ、AnotherEdition、JewelChanges(ブランドは異なるがすべて株式会社ユナイテッドアローズ)。

ターゲットはどこの層かが難しい。なんとなく20代〜30代女性というのはわかるが、ペルソナレベルまで落とすとイメージがつくにくい。でもそれはさておき、不思議な感覚になったのがこれ。価格表です。

 

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20代女性を狙うのであればこの価格形態は響かない。airClosetはおそらくユーザのために考えに考えた価格体系だと思われる。しかし、一見2800円というわかりやすい数字が並んでいるが、これの図はとても分かりにくい。分かりにくいというのはユーザが「これはやってみよう」という判断の誘導にならないということだ。

原因は何かを考えたところ、まず第一に大前提としてユナイテッドアローズの商品価格を知っている必要があること。ユニクロであれば1点購入したら2800円offされるともしかしたらタダで手に入るかもしれないが、もちろんそんなことはない。(だいたい10000〜30000円程度が多い)

そして第二に結局いくらお得なのかが計算をしないとわからない。そもそも「お得さ」を狙おうとしたら皆ZOZOTOWNのセールに行っている。となるとpickssの価値となるのが「プロのスタイリング」ということになるが、納得いくものが届かない場合に返送料はairCloset負担となるが、スタリング料2800円はかかるのだ。

この2800円は曲者である。私たちは今、プロのスタリングの相場を知らない。さらにプロのスタリングを受けたことがある人はそう多くないだろう。この知らないことの多い中での購買判断はかなり難易度が高い。なので、おそらくairClosetほどユーザに響かないのではないか、と踏んでいる。

ちなみにairClosetは1回あたりの3着合計が2万円台のこともあれば4万円になることもある。この差分はairCloset側で持っていることになるが、pickssの場合はユーザが背負う。つまり、10000円の服が送られてその服を買おうとした時と20000円の服が送られてきてその服を買おうとした時では両方とも2800円の値引きが受けられるが、値引き割合で言うと10000円の方が得した気分になるだろう。(そんな単純でもないかもしれないが)

 

いろいろ書いてしまったが、要はサービスを右脳で楽しみにたいのに左脳を使わせるから手を出したくなくなるのだと思う。私たちはやっぱりスタートアップにはワクワクを求めているのだから。(ちなみに私はairCloset利用者でサービスを応援しています)